11.10 物理/化学の勉強法
更新日 2021年6月20日
理科の進め方は、教科書+標準問題集 ⇒ 応用問題集 ⇒ 過去問です。
つまり過去問を別にすれば、演習問題集は基本2冊(もしくは2シリーズ)だけと考えて、構いません。
難関大に合格する人も、難しい問題集ばかりに取り組んでいるわけではありません。
また難関大に合格する人が、ムダにたくさんの問題集に取り組んでいるわけでもありません。
標準問題集と応用問題集を1冊ずつこなしたら、過去問演習を入ります。
過去問演習の結果として、もし不安な単元があれば、その単元だけを使用した問題集に戻って復習するか、別の問題集をもう1冊用意して不安な単元だけに絞って集中的にこなします。
化学は、暗記することも多いですが、計算量が多いことも特徴です。
ですが、問題のパターンは限れられているので、努力に比例しやすい科目とも言えます。
最初の単元の理論化学が初学者にとってはやっかいで計算量も多いです。
逆に無機化学や有機化学は、必要な知識を暗記してしまえば、そこまで難解な計算が必要なく、高得点が狙える可能性もあるおいしい単元です。
参考までに難関大に合格した人が使った化学問題集をまとめました。
難関大に合格した人も、難しい問題集ばかりをこなしているのではなく、標準レベルの問題集をちゃんとこなしていることが分かります。
まずは教科書+標準問題集から始めます。
<化学 教科書/教科書代わり 例>
- (教科書)
- 鎌田の理論化学の講義(旺文社)
- 福間の無機化学の講義(旺文社)
- 鎌田の有機化学の講義(旺文社)
<化学 標準問題集 例>
- セミナー化学基礎+化学(第一学習社)
- リードα化学基礎+化学(数研)
最初に教科書を1章読みます。
ゼロから理解するには教科書がいいです(鎌田/福間の化学でも構いません)
次に標準問題集のその1章の問題を解きます。
化学は読んでいるだけでは中々覚えられません。解きながら覚えるのが一番定着します。
⇒<9.3 問題を解きながら覚えると効率が20%アップ>
教科書を読んでいると覚えることがたくさんあるように思えるかもしれませんが、問題を解きながら覚えることで、自然と問題としてよく出る知識から優先的に覚えることができます。
大事な知識は問題と設定されているので、自分で大事なところを選ぶ必要もないですし、ただ読むよりも「間違えた」という経験が記憶にとっては効果的だからです。
そして1章ごとに間違えた問題に限って3巡繰り返し解きます。
⇒<8.1 最重要の勉強法!同じ問題集を繰り返す>
1巡目は解けなくても全く気にせず、解説を読んで、解説をなぞりながら書き写します。
解説を読んでもわからないところは教科書に戻って読み直します。
この要領で全ての章を片付けます。
全ての章を片付けたときには、共通テストなどで必要な知識は身に付いているはずです。
なお、時間が経ってから復習するときには、3回間違えた問題 ⇒ 2回間違えた問題 ⇒ 1回間違えた問題、とよく間違えた問題から順番に復習すると、苦手な問題や知識を優先することになり効率的に復習できます。
化学を共通テストのみで使う人、 二次試験の問題が比較的優しい人は応用問題集にいかずに、ここで共通テストの問題と二次試験過去問をやります。
志望校の二次試験の問題が難しい人は応用問題集をこなします。
<化学 応用問題集 例>
- 化学重要問題集 化学基礎・化学(数研)
- 化学[化学基礎・化学] 標準問題精講(旺文社)
なお、『化学重要問題集』は、難関大合格者の半分近くが使った良書です。
ここにある問題を繰り返して完璧にすれば、あとはちょっとしたひねりだけでどんな問題でもほぼ対応可能になるという良問が集まっています。
1巡目はかなり苦労すると思いますので、10分考えて分からなかったら、解説を見て自分の手で書きながら、解法を覚えます。
2巡目、3巡目と間違えた問題だけやります。
3巡をかけて全ての問題を解けるようにします。
あとは、志望校の過去問を問題集としてやってみて、苦手な単元があれば応用問題集をもう一冊選んで、苦手単元だけをつぶします。
もし時間に余裕があって、化学で高得点を取りたくて、さらになるべく「なぜ?」を体系的に学びたい人には以下の参考書/問題集がオススメです。
<化学 応用問題集 例>
- 化学の新研究 理系大学受験(三省堂)
- 化学の新演習 化学基礎収録(三省堂)
『化学の新研究 理系大学受験(三省堂)』は、マニアックな化合物までしっかり網羅的に学べること、そして単純暗記になりがちな化学をなるべく体系的に「なぜ?」を説明してくれるような参考書です。
難関大を狙う人は辞書的に持っておき、間違えた問題の箇所を調べるように使うのもいいかもしれません。
物理は、理科の中で一番『理解』が必要で、苦手意識をもつ人も多く、覚え始めは苦労する可能性があります。
ですが知識として覚えることは化学や生物より少ないです。
最初にきちんと理解してしまえば、あまり時間を使わずに安定して高得点を取れる可能性がある教科とも言えます。
さらに複雑さを苦にしない人だと、基本的な知識を身に付けたら、いきなり超難問も解けてしまう人もいます。
物理は、問題のレベルが上がったとき、複雑さは増しますが、元となる必要な知識は変わらないからです。
標準問題300問、応用問題150問の、大体450題ぐらいの解法のポイントを覚えてしまうとほとんど全ての問題に対応できるようになります。
最初の単元の力学が最もハードルが高く、ここで挫折する人が多いので、力学をなんとか乗り切るという意識でやるといいと思います。
参考までに難関大に合格した人が使った物理問題集をまとめました。
難関大に合格した人も、難しい問題集ばかりをこなしているのではなく、標準レベルの問題集をちゃんとこなしていることが分かります。
教科書+標準問題集から始めます。
<物理 教科書/教科書代わり 例>
- (教科書)
- 漆原晃の 物理基礎・物理[力学・熱力学編]が面白いほどわかる本(KADOKAWA)
- 漆原晃の 物理基礎・物理[電磁気編]が面白いほどわかる本(KADOKAWA)
- 漆原晃の 物理基礎・物理[波動・原子編]が面白いほどわかる本 (KADOKAWA)
- 宇宙一わかりやすい高校物理 力学・波動(学研)
- 宇宙一わかりやすい高校物理 電磁気・熱・原子(学研)
<物理 標準問題集 例>
- 物理のエッセンス 力学・波動(河合)
- 物理のエッセンス 熱・電磁気・原子(河合)
- セミナー物理基礎+物理(第一学習社)
- リードα物理基礎・物理(数研)
まずは教科書を1章読みます。
ゼロから理解するには教科書がいいです(『漆原晃の 物理基礎・物理』や『宇宙一わかりやすい高校物理』でもOKです)
次に標準問題集のその1章の問題を解きます。
物理は読んでいるだけでは中々覚えられません。解きながら覚えるのが一番定着します。
⇒<9.3 問題を解きながら覚えると効率が20%アップ>
問題を解きながら覚えることで、自然と問題としてよく出る知識から優先的に覚えることができます。
大事な知識は問題と設定されているので、自分で大事なところを選ぶ必要もないですし、ただ読むよりも「間違えた」という経験が記憶にとっては効果的だからです。
そして1章ごとに間違えた問題に限って3巡繰り返し解きます。
⇒<8.1 最重要の勉強法!同じ問題集を繰り返す>
1巡目は解けなくても全く気にせず、解説を読んで、解説をなぞりながら書き写します。
解説を読んでもわからないところは教科書に戻って読み直します。
この要領で全ての章を片付けます。
全ての章を片付けたときには、共通テストなどで必要な知識は身に付いているはずです。
そして、複雑さを苦にしない人だと、これだけの知識で超難問も解けてしまう人もいます。
物理は、問題のレベルが上がったときに、複雑さは増しますが、元となる必要な知識は変わらないからです。
なお、時間が経ってから復習するときには、3回間違えた問題 ⇒ 2回間違えた問題 ⇒ 1回間違えた問題、とよく間違えた問題から順番に復習すると、苦手な問題や知識を優先することになり効率的に復習できます。
物理を共通テストのみで使う人、 二次試験の問題が比較的優しい人は応用問題集にいかずに、ここで共通テストの問題と二次試験過去問をやります。
志望校の二次試験の問題が難しい人は応用問題集をこなします。
<物理 応用問題集 例>
- 良問の風物理頻出・標準入試問題集(河合)
- 名問の森物理 力学・熱・波動1(河合)
- 名問の森物理 波動2・電磁気・原子(河合)
- 物理重要問題集 物理基礎・物理(数研)
応用問題集は必ず志望校の過去問のレベルに合ったものを選ぶようにします。
例えば河合の物理は『エッセンス』⇒『良問の風』⇒『名問の森』の順にレベルが上がって行きます。
上智MARCHの物理であれば『良問の風』を完璧にすれば対応可能だと思います(もちろん余裕を持つために『名問の森』を解くのもアリです)
早慶や旧帝/東工を目指すには『名問の森』が必要です。
ただ『名問の森』に全く歯が立たない場合を除き、『良問の風』を飛ばして『名問の森』に入ってしまって構いません。
1巡目はかなり苦労すると思いますので、10分考えて分からなかったら、解説をみて自分の手で書きながら、解法を覚えます。
2巡目、3巡目と間違えた問題だけやります。
3巡をかけて全ての問題を解けるようにします。
あとは、志望校の過去問を問題集としてやってみて、苦手な単元があれば応用問題集をもう一冊選んで、苦手単元だけをつぶします。
なお、力学を微積で理解する、という勉強法もあります。
基本的には力学を微積で理解しなくても99%の問題を解けますが、微積で覚えた方が簡単に覚えられる人は微積で覚えるのもアリです。
ただ東大は力学を微積で理解しておくと少し有利になるような問題が出ており、東大を受験する人は微積の考え方だけは知っておいた方がよさそうです。
本コラムのまとめ
- 理科は、教科書+標準問題集 ⇒ 応用問題集 ⇒ 過去問の3冊。
- 同じ問題集の間違えた問題を最大3巡繰り返し、パターンを覚える。
- 二次試験過去問演習で苦手単元があったら個別に埋めていく。